レコードの回転数はなぜ違う?33回転と45回転の違いとは

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近年のアナログレコード人気の再燃により、商業施設へのレコードショップの出店などマーケットも盛り上がりを見せており、若い世代もレコードに触れる機会が多くなっています。

アナログレコードには12インチ、10インチ、7インチなどサイズがいくつか存在しており、同じくレコードプレーヤーで再生する際のレコードの「回転数」も33回転、45回転と回転速度に違いが存在しています。

今回は意外ときちんと知らない人も多いであろうこの「レコードの回転数の謎」について、「なぜ回転数が違うのか」「回転数が違うことによってどういうメリットがあるのか」についてご紹介したいと思います。

レコードの回転数は主に33回転と45回転がある

もしターンテーブル(レコードプレーヤー)を持っている場合は、再生ボタン(回転スタート/ストップボタン)とは別で回転数を切り替えるための [33] [45] といった表記がされているボタンの存在に気付く人もいるでしょう。

レコードの回転スピードは、”RPM“というアルファベット3文字で表され、RPMとは「Revolutions Per Minute(またはRotations Per Minute)」の略で、レコードが1分間に何回転するかを表します。

数字で表される通り、33RPMは1分間に33回転、45RPMは1分間に45回転の速度で回転するということになります。ちなみに、33RPMは厳密には33と1/3回転となり、33RPMは1分間に33.333…回転するということになります。

また、非常に古いレコードでは1分間に78回転の速度で再生される78RPMのものも存在しています。

レコードの回転数が違うとどうなるのか?

レコードの回転数はそれぞれのレコードによって作られる時点で正しく再生される回転数が決まっており、回転数が違うと当然再生速度が変わり、その結果音楽が本来の楽曲とは異なる速度で再生されることになります。

  1. ピッチが変わる: 回転数が違うと、音楽のピッチが変わります。例えば、33⅓回転のレコードを45回転で再生すると、音楽が高く速くなり早送りのようになります。逆に45回転のレコードを33⅓回転で再生すると、音楽が低く遅くなりスローモーションのようになります。
  2. 再生時間が変化: 回転数が違うと、同じ楽曲でも再生時間が異なります。例えば、同じ曲を33⅓回転と45回転で再生すると、45回転の方が速く再生され、その結果、同じ楽曲でも再生時間が短くなります。
  3. 音質の劣化: それぞれのレコードは特定の回転数で正しく再生されるように設計されており、それ以外の回転数で再生すると音質が劣化する可能性があります。特に高速で再生すると、針がレコードの溝を適切に読み取れないことがあり、音質が劣化しやすくなります。
  4. レコードや針の損傷: 適切な回転数で再生されないと、レコードや再生針が損傷する可能性もあります。特に高速で再生されると、過度の摩擦や負荷がかかり、レコードの表面や針が傷つくことがあります。

それぞれのレコードの正しい回転数はレコード中央のセンターレーベルなどに記載されていることが一般的で、レコードを正しく再生を行うには正しい回転数を確認し、ターンテーブル側で回転数を制御する必要があります。

レコードの回転数はどうやって決まるのか?

レコードの回転数にバリエーションがあることは分かりましたが、どういう場合に33回転、また45回転とそれぞれ決まるのでしょうか。

回転数による最も大きな違いは「収録可能時間」であり、当然回転速度の遅い33回転の方がより長時間の収録を行えることになります。

このことから、主に33回転は複数の楽曲が収録されるアルバム盤、45回転は1曲もしくは数曲のみが収録されるシングル盤で採用されることが一般的です。

しかしながら、スクラッチなどが多用されるHIPHOPではシングル・アルバム問わず操作性の良さから33回転がスタンダードになっている、というように音楽のジャンルによって回転数がほとんど決まっているようなパターンもありますし、どちらの回転数が採用されるかは、アーティストや制作の意図、時代などにより異なります。

レコードの回転数による音質の違い

収録時間以外にレコードの回転数を決める判断材料になるのが「音質」です。

33回転と45回転では音質に差があり、45回転の方が高音質とされています。これは、回転速度が速い=より短時間に多くの溝を使用する45回転の方が音楽の収録面積が広くなり、ゆとりのある状態で音を収録出来るため、回転が安定し音の解像度が向上することが理由になります。

収録時間:33rpm > 45 rpm
音質:33 rpm < 45 rpm

つまり収録時間と音質はトレードオフの関係となり、上記にあげた音楽のジャンルやスタイル、アーティストの意向など他の判断基準も含めて総合的に検討されたのち、レコードの回転数が決められているということですね。

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