DJコントローラーのエントリーモデルとして決定版とも言える存在であったPioneer DJ「DDJ-400」の後継モデル「DDJ-FLX4」が発表されました。
今回はDDJ-400からDDJ-FLX4の変更ポイント、進化点を比較してみました。
DDJ-FLX4 vs DDJ-400 外観比較
まず外観については、DDJ-400は四隅が角張ったデザインだったのに対してDDJ-FLX4は丸みを帯びたデザインとなっています。
本体の筐体のカラー/質感はDDJ-FLX4はDDJ-400と比べて光沢が抑えられたマットで落ち着いたブラックのデザインになっています。好みの問題もあるでしょうが、少し触るだけで指紋がついて目立ち易かったDDJ-400のボディは少々気になっていた部分ではあるのでこの変更は嬉しいポイントでした。
ボタン/パッドやトリムの配置やデザインはDDJ-FLX4の方がよりシンプルでスッキリした印象。
DDJ-400に無かったツマミとしては中央ミキサー部左側にマイク音量ノブが追加されており、DDJ-400では裏面もしくはソフト側で調整する必要があったマイク音量を瞬時にノブでコントロールできるようになっています。
同じ列に新機能でもあるSmart CFX・Smart Faderの専用ボタンも追加されており特徴的なスマート機能である両機能に瞬時にアクセスできるようになっています。
逆に中央ミキサー部右側のBEAT FX関連のボタンは種類・数は変わっていませんが、配置が変更されています。
他に地味な変更点ですが、rekordbox パッドモードの割り当て位置が変更されています。
DDJ-400では「BEAT LOOP」ボタンがあった箇所がDDJ-FLX4では「Pad FX 1」に、「Pad FX 1」の位置が「Pad FX 2」に、「Pad FX 2」の位置が「Beat Loop」にそれぞれアサインされてより実際のDJプレイを考慮した割り当てとなっています。
DDJ-FLX4 | DDJ-400 |
---|---|
Pad FX 1 | Beat Loop |
Pad FX 2 | Pad FX 1 |
Beat Loop | Pad FX 2 |
ボタンやパッドのキーカラーは、DDJ-400はレッド/イエロー(オレンジ)であったのに対してDDJ-FLX4ではイエロー(オレンジ)に統一され、よりスタイリッシュで統一感のあるデザインになった印象を受けます。
DDJ-FLX4 vs DDJ-400 技術仕様 比較
DDJ-400からDDJ-FLX4への技術仕様での主な違いは、
- 対応ソフトウェアがrekordbox & Serato DJのマルチ対応に:DDJ-400ではDJソフトウェアとしてrekordboxとdjayに対応していましたが、DDJ-FLX4ではrekordboxにくわえてSerato DJにも対応。DJソフトの2大巨頭に対応したことによってさらにユーザーの選択肢が広がり導入しやすくなっています。djayに関しては現時点で対応しているという情報はなく、rekordbox for iOS/Androidに2023年初頭対応予定とアナウンスしていることから、モバイルデバイス用のDJソフトに関しては自社ソフト中心に展開をしていくことが予想されます。
- USB端子がUSB-BポートからUSB-Cポートに:DDJ-400はPCとの接続端子がUSB-Bと、他の一般的な電子機器で採用されている機器が多いとは言えない端子で変換ケーブルが必要になる場合も多かったですが、DDJ-FLX4では最も普及しているであろうUSB-Cになったことにより互換性の向上と転送速度・安定性の向上が期待できます。またUSBケーブル1本でDJマスター出力とマイク出力を合わせて出力できるようになったため、簡単にMCやストリーミング配信が出来るようにもなっています。
2ポート搭載されていることでPC接続用とは別で電源供給用のポートも確保できさらに安定した使用ができそうです。 - Bluetooth接続:USB-Cケーブル1本でPC/モバイルデバイスと接続するほか、Bluetoothを利用したワイヤレス接続が可能に。rekordboxのモバイルアプリは楽曲管理等での活用に限られていましたが、DDJ-FLX4への正式対応とともにDJプレイにも対応することが予想されます。
- SMART CFX機能とSMART FADER機能を搭載:目玉の一つとなる新機能として搭載された両機能。複数のエフェクトを組み合わせたプロフェッショナルなサウンドをシンプルなノブ操作のみで加えることが出来るSMART CFXと、フェーダーを操作するだけでサウンドバランスやBPMが自動的に最適化されジャンルやBPMの違う楽曲同士を簡単にミックスすることができるSMART FADER。もはや初めてDJをする人でもいい感じにミックス出来てしまい逆にDJが上達しないのでは?と思ってしまうスマート機能が新搭載されています。
DDJ-FLX4 vs DDJ-400 スペック表 比較
DDJ-FLX4 | DDJ-400 | |
---|---|---|
対応ソフトウエア | rekordbox for Mac/Windows rekordbox for iOS/Android (2023年初頭対応予定) Serato DJ Lite Serato DJ Pro(有償) | rekordbox for Mac/Windows |
システム要件 | Serato DJ Liteのシステム要件はこちら rekordboxのシステム要件はこちら | rekordboxのシステム要件はこちら |
付属品 | クイックスタートガイド 使用上のご注意 Seratoフライヤー USB Type C ケーブル 保証書 | USBケーブル 保証書 取扱説明書(クイックスタートガイド) |
幅 x 高さ x 奥行き | 482 x 59.2 x 272.8 mm | 482 x 59.2 x 272.4 mm |
本体質量 | 2.1 kg | 2.1 kg |
再生周波数帯域 | 20 – 20000 Hz | 20 – 20000 Hz |
S/N比 | 103 dB | 103 dB |
全高調波歪率 | 0.005 %以下 (USB) | 0.005 %以下 (USB) |
サウンドカード | 16bits/24bits, 44.1 kHz/48 kHz | 16bits/24bits, 44.1 kHz/48 kHz |
消費電流 | DC 9 V, 3 A(USB電源アダプター) DC 5V, 500 mA(USBバスパワー) | DC 5V, 500 mA(USBバスパワー) |
チャンネル数 | 2 | 2 |
DECKコントロール | 2 | 2 |
TRIMノブ | ○ | ○ |
ジョグサイズ | 111.6mm | 111.6mm |
Beat FX | ○ | ○ |
Sound color FX | ○ | ○ |
Sampler | rekordbox 16 スロット / Serato DJ Lite 4 スロット | rekordbox 16 スロット |
Hot Cues | rekordbox 8 / Serato DJ Lite 4 | rekordbox 8 |
rekordbox パッドモード | Hot Cue Pad FX 1 Pad FX 2 Beat Jump Sampler Keyboard Beat Loop Key Shift | Hot Cue Beat Loop Beat Jump Sampler Keyboard Pad FX 1 Pad FX 2 Key Shift |
Serato パッドモード | Hot Cue Pad FX Beat Jump Sampler Roll Auto Loop | × |
Manual Loop | ○ | ○ |
Auto Beat Loop | ○ | ○ |
SMART CFX機能 | ○ | × |
SMART FADER機能 | ○ | × |
入力端子 | 1 MIC (1/4 inch TS Jack) | 1 MIC (1/4 inch TS Jack) |
出力端子 | 1 MASTER (RCA) 1 PHONES (3.5-mm stereo mini jack) | 1 MASTER (RCA) 1 HEADPHONE MONITOR (3.5-mm stereo mini jack) |
USB | 2 USB C 端子 (PC/Mac接続&電源供給 ×1, 電源供給のみ ×1) | 1 USB B 端子 |
まとめ
DDJ-FLX4はDDJ-400の機能を全て引き継いだ上で、互換性の拡張、新機能、より洗練されたデザインにブラッシュアップされた正統進化版といったモデルになっていました。
昨今の円安の影響もあるのか、DDJ-400と比較して販売価格は税抜きで1万円の差がありますが、初めてDJコントローラーを購入する人はもちろんDDJ-400からの買い替えユーザーにとっても購入価値のある新たなビギナー向けDJコントローラーの決定版となりそうです。
Source:Pioneer DJ
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