世界中に多くのユーザーを抱え、ここ日本においては最も高いシェアを持つスマートフォンであるAppleのiPhone。iPadも入れると圧倒的な普及度を誇るApple製品ですが、そのアップルの純正音楽ストリーミングサービスとしてモバイル端末との高い親和性で人気を誇るのが「Apple Music」です。
1億曲以上にもなる膨大な音楽ライブラリが定額料金で聴き放題になるApple Musicですが、DJプレイにも使用することはできるのか、調べてみました。
Apple MusicはdjayアプリからDJ使用できる
Apple Musicは、スマホ、タブレット用DJアプリとして最も人気のアプリのひとつである「djay」に2024年2月1日より対応し、djayアプリ内からApple Musicの1億曲以上のカタログにアクセスし、DJプレイに使用できるようになりました。
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Apple Musicをはじめとするストリーミングサービスは、自分の端末に音楽が入っているわけではなく、インターネットに接続されたデバイスからストリーミングサービスにアクセスし、各サービス事業者のサーバーにある音楽データをリアルタイムで再生しています。
DJで使用する場合は基本的にDJソフトのライブラリにその音源データが存在しなければ読み込むこともできないため、公式にDJソフトウェアとストリーミングサービスが提携していない限り、ストリーミング音源にアクセスすることはできません。
また、音楽の著作権は、楽曲の作曲者やアーティストなどによって保護されており、ストリーミングサービスはオンデマンドで再生する個人ユーザーの使用が想定されていますが、DJがストリーミングサービスを使用して楽曲を公の場で演奏する場合、正式には別の権利処理が必要になるため、DJで使用できるストリーミングサービスの使用範囲は非商用利用がメインであるとも言えるでしょう。
グレーなリッピングソフトも存在するが…
Apple Musicのようなストリーミングサービスの音源をダウンロードして自分のデバイスにデータを保存できるようにするソフトも世の中には存在しています。
当然公式に認められているものではなく、グレーなサービスで提供元も不確かなため、こういったソフトは使わないほうが賢明でしょう。
音楽を生業にするDJであれば尚更、楽曲制作者やアーティストへのリスペクトを持って、こういった違法に近いソフトで音源を入手するような真似は避けたいですね。
Apple MusicのほかにDJで使えるストリーミングサービス
それでは、Apple MusicのほかにDJで使えるストリーミングサービスの選択肢としては何があるのでしょうか。
今現在、DJで使えるストリーミングサービスは以下の3つのサービスの選択肢があります。
- Amazon Music Unlimited
- Beatport Streaming
- Beatsource
Amazon Music Unlimited
ECの王者Amazonが運営する、音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」は、1億曲以上の楽曲やプレイリスト、ラジオなどを楽しめる音楽聴き放題サービスで、メジャー系の音楽ストリーミングサービスでは貴重なDJ用に使えるサービスでもあります。
ただ、Amazon Music Unlimitedが使えるDJ機材は、現時点でNumarkとDenon DJのオールインワンDJコントローラー「Mixstream Pro Go」「Mixstream Pro +」「SC LIVE 4」となっており、ハードウェアが限定されているため、rekordboxやSeratoなど人気のDJソフトやPioneer DJ製ハードウェアからは利用できません。
DJの音源収集は終わりがなく、当然音源の購入費用もかかり続けるため、多少最初にハードウェアにお金がかかっても、トータルで考えるとストリーミング非対応の機材を購入するより安上がりになる可能性はあります。Amazon Music Unlimitedが使えるというだけで、上記の対応DJコントローラーを導入する理由に十分なりますね。
Amazon Music Unlimitedは、DJ用途にも申し分のない超高音質(320kbpsから最大3730kbpsのハイレゾ音質)で音楽が配信されており、料金は、月額1,080円(プライム会員の場合は月額880円、学生は月額580円)で、登録から30日間は無料体験が可能です。
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Beatport Streaming
世界最大のダンスミュージック専門音楽ダウンロードストア「Beatport」が運営する定額制の音楽ストリーミングサービスが「Beatport Streaming」です。
Beatportで販売されている大多数の音源がBeatport Streamingでも利用でき、エレクトロニックミュージック系のDJであれば必須とも言えるサービスです。
Beatport Streamingは、rekordbox、Serato DJ、Traktor、djayなど、市場で普及しているほぼ全てのDJソフトウェアに対応しており、DJソフトもしくはハードウェアとBeatportのサブスク契約(Advanced/Professionalプラン)をしているアカウントを連携すればDJソフトのライブラリから直接アクセスして利用出来ます。
Beatport Streamingについての詳しい説明はこちらの記事でもご紹介しています。
Beatsource
Beatsourceも同じくダンスミュージック専門の音楽ストリーミングサービスで、先ほどの「Beatport」と、DJ向け大手レコードプール「DJ city」が共同で設立したサービスです。
サービス内容や使い方はBeatport Streamingとほとんど同じですが、Hiphopやメインストリーム系楽曲に強いDJcityと共同運営されていることからBeatsourceはよりメインストリーム系の楽曲が中心で、オープンフォーマット系のDJ向けの楽曲ラインナップになっています。
BeatsourceもBeatport Streamingと同じくほとんどの主要DJソフトウェアに対応しています。
Beatsourceについての詳しい説明はこちらの記事でもご紹介しています。
まとめ
- Apple MusicをDJに使用することができるのは「djay」
- ほかにDJで使えるストリーミングサービスは、「Amazon Music Unlimited」「Beatport Streaming」「Beatsource」の3つ
- Amazon Music Unlimitedは使える機材が3種類、Beatport Streaming/Beatsourceはほぼ全てのDJソフトから利用できる