株式会社ウルフパックジャパンが運営する、レコードを作る上で重要な工程の一つである「カッティング」を行うためのスタジオ「Wolfpack Mastercut Studio」が正式にオープンしました。
株式会社ウルフパックジャパンは、先日国内向けサービスを正式に開始したアナログレコードの製造販売プラットフォーム「Qrates」を運営するトウキョウ・デジタルミュージック・シンジケイツ株式会社と同じBae Yong-Bo氏が代表を務める会社。
より顧客に納得感のある音作りと、多彩な音楽性に寄り添ったレコード制作体験を提供すべく自社専属のカッティングスタジオ「Wolfpack Mastercut Studio」のオープンに至ったとしています。
日本国内でレコードの音質を決定づけるマスター盤の制作が可能に
盤に音の溝を刻み込み、レコードを製造する際の原盤となる「ラッカーマスター盤」の作成を国内で出来るようになったことで、スタジオでの立ち会いや試聴が可能になり、製造のより上流段階から密に調整と相談を行った上で、納得感のある音作りを実現することが出来るようになるとしています。
同スタジオには、カッティングマシンの名機として知られる「Neumann VMS70」に加えて、スイスに拠点を置き世界中で数々のカッティング設備設計実績を持つFLoKaSon社によって調整されたシステムを導入。クリアでパワフルなサウンドから温かさと柔らかみのある音まで、レコードというフォーマットを活かしつつ、音楽性を第一に考慮した柔軟なカッティングを提供するとしています。
同社ウェブサイトによると、注文は、音源入稿→カッティング用マスタリング→リファレンス盤送付→マスター盤作成→レコード工場に輸送、という流れで行われ、下記が参考価格となるようです。
| サイズ | 価格例 |
| 12インチ（8曲） | ¥95,000 |
| 12インチ & 10インチ（4曲） | ¥87,000 |
| 7インチ（2曲） | ¥69,000 |
| サイズ | 価格例 |
| リファレンス・ラッカー（2枚目から） | ¥8,000 / 枚 |
| 立会い試聴（初台駅から徒歩10分） | ¥10,000 / 時間 |
1枚からのオーダーが可能なダブプレートの制作も提供
「Wolfpack Mastercut Studio」のオープンに伴って、1枚からのオリジナルレコード制作が可能なダブプレート制作サービスも開始されます。
通常のレコードは100枚からの制作になりますが、ダブプレートは1枚からオーダーが可能で、イベントの物販や限定アイテム、DJのツールなど個人的なアイテムや流通を介さない少数制作のニーズを高品質・低価格・短納期で実現。
仕様と価格は以下の通りで、5枚・10枚・15枚とまとめて制作する際のセット価格も用意されています。
仕様：
・サイズ：7” or 10” or 12″
・盤カラー：通常盤（ブラック）のみ
・レーベル：無地ホワイト or プリント（準備中）
価格（1枚のみ / 税抜き）：
・7インチ（0曲）1枚：4,000円
・10インチ（0曲）1枚：5,000円
・12インチ（0曲）1枚：6,000円
*1曲（5分まで、5分以上は2曲換算）ごとに音源のレコード溝調整費として1,000円追加
*別途国内送料1,000円
個人で活動するアーティストや小規模で運営されているインディペンデントレーベルの強い味方となりそうなサービスですね。
アーティストの活動をサポートするとともに、「カルチャー」として定着させるべくアナログレコード制作関連のサービスを展開する同社の挑戦に今後とも注目していきたいですね。
WOLFPACK：https://www.wolfpack-united.jp/
