PC内のデジタルデータ音源をターンテーブルやCDJでコントロールしDJを行うことが出来るDVS(Digital Vinyl System)。
この画期的なシステムのパイオニアとなったSerato社のソフトウェアを愛用されている方はまだまだ多いのではないでしょうか。
DVSが爆発的に普及した時代のスタンダードであったSerato(Scratch Live)専用のRane社のオーディオインターフェイスを使用するセットアップはサポートが終了しており、現行のPCのOSには対応していません。
現在オーディオインターフェイスはミキサー(もしくはDJコントローラー)内に組み込まれた形になっており、Serato DJのDVS機能を使用するためには対応ミキサーが必要となります。
今回はターンテーブル/CDJを使用したDVS環境でSerato DJを使用するためにおすすめのミキサーをご紹介致します。
Serato DJ DVS対応のミキサーを選ぶ際の注意点
機種のご紹介前にまずSerato DJ DVS対応のミキサーを選ぶ際の注意点があります。
Serato DJ DVS対応のミキサーには2種類の対応方式があります。Serato社HPの表記通りご紹介すると、
- DVS included
- Supports DVS
と表記されていますが、果たして何が違うのでしょうか?
簡単に説明すると、
・DVS included → Serato DJ Proおよび、Serato DVS expansion packが付いている(別途ソフトウェアライセンス購入の必要がない)
・Supports DVS → Serato DJ Proおよび、Serato DVS expansion packが付いていない(別途ソフトウェアライセンス購入の必要がある)
という違いとなります。つまり「Supports DVS」のミキサーは互換性はあるが別途ライセンス購入しないとDVS機能が利用出来ないということになります。
この「ソフトが付いている」というのは、あくまでそのミキサーとPCを接続した場合に限り使用ができる、DJ機材の用語でよく見かける「ハードウェアアンロック」という意味になります。
DVS includedのミキサーを自宅で導入したからといってクラブに置いてあるミキサーでもDVSが行えるわけではありませんので注意が必要です。
なんともややこしい話ですが、今回はDVS includedのミキサーのみをご紹介致します。
Numark Scratch 2チャンネルスクラッチミキサー
【主な特徴】
・思い通りのミックスを実現するInnoFaderスクラッチクロスフェーダー搭載
・6つのダイレクトエフェクトセレクターと2つのトリガーパドルによるエフェクト操作
・各デッキに4つのパフォーマンスパッド搭載
Serato DJ DVS対応ミキサーとしては最も安価(記事作成時点で6万円台)で入手できるミキサーがこのNumark Scratchになります。
とにかくコストを抑えたいが最低限の機能はしっかり欲しいという人におすすめのミキサーです。
Pioneer DJ DJM-S5 スクラッチスタイル 2ch DJミキサー
【主な特徴】
・ブラックとレッドの2トーンカラーで印象的なデザイン
・激しいスクラッチにも耐えられるMAGVEL FADER PRO搭載
・ダイナミックなプレイが可能な大型エフェクトレバー搭載
・各デッキに4つのパフォーマンスパッド搭載
・接続したPCから電源供給可能なUSBバスパワー対応
下半分がレッドでカラーリングされた斬新なデザインは好き嫌いが分かれそうではありますが、Serato DJ DVS対応ミキサーとしては最も最近発売(2022年6月)された新機種になります。
Pioneer DJ DJM-S7 スクラッチスタイル 2ch パフォーマンスDJミキサー
【主な特徴】
・激しいスクラッチにも耐えられるMAGVEL FADER PRO搭載
・ダイナミックなプレイが可能な大型エフェクトレバー搭載
・各デッキに8つのパフォーマンスパッド搭載
・スムーズなDJ交代が可能な2基のUSBポートを搭載
・Serato DJ Proに加えrekordboxにも対応
Pioneer DJ DJM-S11 プロフェッショナル向け スクラッチスタイル 2ch DJミキサー
【主な特徴】
・4.3インチタッチディスプレイ搭載
・激しいスクラッチにも耐えられるMAGVEL FADER PRO搭載
・ダイナミックなプレイが可能な大型エフェクトレバー搭載
・各デッキに8つの大型パフォーマンスパッド搭載
・スムーズなDJ交代が可能な2基のUSBポートを搭載
・Serato DJ Proに加えrekordboxにも対応
Rane SEVENTY 2chバトルDJミキサー
【主な特徴】
・堅牢な金属製ボディに加え、パフォーマンスに適した使いやすいレイアウト
・超軽量、外部からテンションの調整も可能な新開発のMAG FOUR非接触型フェーダー x 3を搭載
・16個のデュアル・レイヤーMPCパッドを搭載
・スムーズなDJ交代が可能な2基のUSBポートを搭載
まとめ
いかがでしたでしょうか。
基本的にSerato DJ DVS対応のミキサーの選択肢としては「Pioneer DJ DJM-Sシリーズ」がメインとなり、より価格を抑えたい場合は「Numark Scratch」、こだわりの操作を求める方には「Rane Seventy」が選択肢になってくると思います。
いずれのミキサーもバトル系DJにターゲットを置いた機能が搭載されており、スクラッチやエフェクトを多用するスタイルのプレイに相性が良さそうです。
価格は6万円台から20万円オーバーのハイエンド機種まで選択肢がありますので、それぞれの予算と用途に合わせて最適なギアを選んでいただければと思います。
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