音楽制作・DJ業界に衝撃が走りました。
Traktor、Maschine、Kompleteなどの象徴的な製品で知られるドイツ・ベルリンのNative Instruments社が、ドイツ法に基づく「自己管理手続き」による倒産手続きを申請したことが、音楽テックメディアのCDM(Create Digital Music)などにより報じられました。
ベルリンの音楽テック巨頭が法的再編プロセスを開始
今回のNative Instrumentsを取り巻く状況は正式な破産宣告ではなく、債務整理や事業再編を進めるための手続きであり、会社自身が現在の経営体制を維持しながら改善策を検討するフェーズに入ったことを意味します。
破産関連の公的書類によると、任命された予備破産管財人が、会社の資産・負債・事業運営を精査し、再建計画や資産の最適化、売却可能な部分の切り離しなどを検討するとのこと。
同社は2021年に米投資会社Francisco Partnersに過半数株式を売却し、iZotopeやPlugin Alliance、Brainworxといった有力ブランドを傘下に持つ「Soundwide(現在はNative Instrumentsブランドに統合)」という巨大グループを形成していましたが、過去数年にわたる多額の投資や買収による急激な組織拡大とそれに伴うブランド統合のプロセス、さらに音楽ソフトのサブスクリプションモデルへの移行期における収益の不安定化が、同社の財政に重い負荷をかけたと考えられています。
ユーザーへの影響は?Traktor、Maschine、Kompleteの未来
DJ向けラインであるTraktorや、音楽制作業界では世界的なリーディングブランドである主力製品Kompleteなど数多くのブランド群を有するNative Instrumentsのユーザーコミュニティでは今後のアップデートやサポート継続、製品ライフサイクルについて懸念の声が上がっています。
日本国内ではNI製品の正規代理店を務めるメディア・インテグレーション社が公式にコメントを発表しており、現時点で事業停止や破産を確定するものではなく、以降の決定まで国内ユーザーへの日本語テクニカルサポートなどは継続して実施されるとのこと。
今後の見通し
経営再編に伴い、採算性の低い特定のプロジェクトの中止や、人員の整理が行われる可能性は否定できず、資産の売却や事業の再編、投資家の募集などが行われる可能性があります。
Native Instrumentsブランドが縮小して存続するシナリオもあれば、買収などを経て別の所有者のもとで再出発する可能性もあります。
今後数カ月は企業の将来に関わる重要な決断が相次ぐ可能性があるため、ユーザーへの影響含めこの後の動きを注視したいですね。






