DJ/音楽制作用の高品質なソフトウェア/ハードウェアを提供するNative InstrumentsのDJソフトウェア「TRAKTOR PRO」の最新バージョン3.9.0がリリースされました。
Appleシリコン (M1/M2プロセッサー)にネイティブ対応
バージョン3.9.0での最も大きなアップデートの一つが、Appleシリコン(M1/M2プロセッサー)へのネイティブ対応です。
Macbookユーザーが多いDJや音楽制作者にとっては嬉しいニュースで、この対応により、ソフトウェアパフォーマンスが向上し、より滑らかな波形が得られるとしています。
また、同時にMacOS 10.15のサポートが終了し、最低要件がmacOS 11 Big Sur以降となりました。
ASLICEの統合
今回のアップデートのもう一つの大きな目玉が、ASLICEとの統合。
ASLICEについて聞いたことのない方のために少し説明すると、ASLICEとは、DJセットでの楽曲使用状況の簡単かつ正確なレポートを提供し、DJプレイで使用された楽曲の制作者に直接DJ出演で得られた収益の一部をシェアすることを実現するプラットフォームです。
自身もテクノDJ/プロデューサーとして活動するDVS1によって立ち上げられたこのサービスは、DJと音源制作者との間のより公平な収益分配を目指すサービスです。
TRAKTOR PRO 3との統合により、プレイリストのAsliceへのエクスポートが半自動化され、DJはプレイリストを提出する負担が軽減されます。
DJプレイでの楽曲使用における権利問題は非常に難しい問題であり、見方を変えれば、DJからするとこれまで負担してこなかった費用を自ら進んで支払うようなサービスであるとも言えるため、どこまで普及するかは未知数ではありますが、DJと音楽制作者間での収益配分がより透明化され、さらなる業界の発展のために貢献するサービスになる可能性は秘めていると言えるでしょう。
2つの新しいパターンプレーヤーキットが追加
Nicole MoudaberのIN THE MOODキットとFabio Floridoの6AM CLUB VIBESの2つの新しいアーティストキットが追加され、DJセットに追加のサウンド、パターンを追加し新たな表現を生み出す可能性が提供されます。
その他アップデート
上記の他にも、TRAKTORの追加機能を使用できるサブスクリプションプランであるTRAKTOR PRO Plus限定機能として、サンプルリコールと編集保持機能の追加や、安定性の向上と広範なバグ修正が行われています。
M1/M2チップのMacbookユーザーにとっては待望のネイティブサポートが追加されたTRAKTOR PRO 3.9.0。TRAKTORユーザーは早速アップデートしてはいかがでしょうか。
TRAKTOR PRO 3:https://www.native-instruments.com/en/products/traktor/dj-software/traktor-pro-3/