DJを始めるにあたって購入しないといけないDJ機材。
DJ機材にはさまざまな種類があり、どういう音源を使うのか、ソフトウェアや機材同士の互換性など、さまざまな複合的な要素から判断して最適な機材を選定する必要があります。
現代のDJスタイルで主流になっているのが、パソコン内部の音源をDJコントローラー等でコントロールしてDJを行なう「PCDJ」スタイルですが、デジタル機器の基本的な知識がないと何が必要なのか？判断に迷う人も少なくないでしょう。
今回はPCDJを始めるにあたって必要な機材とその選び方をご紹介します。
PCDJとは？
必要な機材の紹介の前に、そもそもPCDJとはなんなのか？その定義を改めて整理しておきましょう。
DJには、アナログレコードを使ってDJをするスタイルや、USBメモリに入れたデータ音源をDJ機材に読み込ませてプレイを行うスタイルなど、さまざまなスタイルが存在しますが、PCDJはPC内の音源を使ってDJをするスタイルを指します。
DJ用の専用ソフトウェアやアプリケーションを使って、PC内の音源ファイルを管理し、ミックスやエフェクトの追加などの作業を行います。rekordboxやSerato DJといったDJソフトが主流で、無償版でもDJの基本的な操作が可能です。
また、PC操作だけではコントロールに限界があるため、DJコントローラーとPCを接続し、物理的なコントローラーのフェーダーやノブ、ボタンを操作してPCのDJソフトの各パラメーターをコントロールすることも一般的です。
PCDJのメリット
PCDJにはデジタル環境ならではの様々なメリットがあります。
曲数の物理的制約がない
PCDJではハードドライブ内にデータとして存在する音源ファイルを使用するため、レコードやCDのように大きさや重量による持ち運びや保管枚数の制限がありません。現場でDJをする場合、レコードでは一人で運搬できる枚数はせいぜい数十枚程度になりますが、PCDJの場合は、ハードドライブの容量以外の物理的制約がないため、数千〜数万曲の音源データを常に保有しておくことができるというメリットがあります。
費用が抑えられる
DJには曲集めをし続けないといけない宿命がありますが、PCDJの場合、ダウンロードやストリーミングなどのデジタル音源になるので、レコード等の物理メディアの収集に比べて費用が圧倒的に抑えられます。
どこでもDJができる
PCDJはそのポータブル性も大きなメリットです。PC一台でDJをすることはもちろん、DJコントローラーを使用する場合も小型軽量のものが多いため、バッグから取り出してすぐにDJプレイをすることができます。
DJソフトウェアの高度な技術
PCDJは専用のDJソフトを使用しますが、DJソフトの技術の進化は凄まじく、ミックスや選曲の補助からエフェクト、即興のマッシュアップやリミックスができる最新テクノロジーなど、DJパフォーマンスを高度化してくれる機能が搭載されているため、少しの練習で初心者でもプロのようなDJプレイを行うことが出来てしまいます。
PCDJのデメリット
PCDJにはメリットも多い反面デメリットもいくつか存在します。
デジタル機器に対する知識が必要
デジタルを駆使するPCDJスタイルは、一般人が求められる以上のパソコンやデジタル機材に対する知識が必要になります。PCやDJソフトの複雑な設定や機材のセットアップを理解する必要があり、機械音痴の人にとっては少々習得に根気がいるかもしれません。
データ消失リスク
PCDJはほぼ無限に音楽ファイルを持ち運びできるメリットがある反面、PCの故障やなんらかの拍子にデータが全て消えてしまうリスクが存在します。これはデジタルデータの宿命ともいえ、DJにとって命とも言える音源データは常にバックアップを取るなど、2重3重のデータ管理が必要です。
関連記事：DJなら必須。音源データのバックアップ
音質
一般的にデータ音源は音質面でレコードなどに比べ、軽い、スカスカという印象を持つ人も少なくありません。特に大音量で音楽が再生されるクラブなどの現場で使用する音源データはそのサウンドクオリティーに注意する必要があります。高音質データが入手できるサービスもあるため、データ音源でも音質にこだわって収集する必要があります。
関連記事：DJの音質を向上させるおすすめの方法3選と気をつけたいポイント
高性能なPCが必要
DJソフトをストレスなく使用するためにはある程度高スペックなPCが必要です。スペックが低いPCでは、ソフトがフリーズしたり落ちたりすることもあり、DJ中にそれが起こってしまうと悲惨です。各DJソフトが求める要求仕様を満たすスペックのマシンを用意する必要があるため、初期費用としてある程度コストがかかるというデメリットがあります。
PCDJに必要な機材
- パソコン（ラップトップPC）
- DJコントローラー
- ヘッドホン
- スピーカー
PCDJを始めるために最低限必要な機材は、PCDJの名の通り「PC（パソコン）」です。持ち運びなどを考えるとラップトップ（ノートPC）を使うことが一般的で、その他にDJコントローラーやスピーカー、ヘッドホンを用意すれば一通りの機材は揃います。DJソフトはDJコントローラーに無償で付属している事が一般的なため、DJが上達してより高度な機能を使いたくなるまでは有料ソフトは必要ないでしょう。
パソコン
PCDJで最も重要な機材とも言えるPC本体です。パソコンを購入する場合MacかWindowsの2択となりますが、DJの使用率が高くDJソフトもMac対応を最優先にしている場合も多いため、予算に余裕がある場合はMacの購入をオススメします。
DJ用パソコンの選び方はこちらのページで解説しているため、参考にしてください。
DJコントローラー
物理的なコントロールを可能にするDJコントローラーも必須機材の一つです。価格帯は1万円〜30万円程度と各社から幅広いレンジで展開されているため、機能やサイズ、デザイン、対応しているDJソフトなど様々な観点から自分に合ったモデルをチョイスできます。
オススメのDJコントローラーは世界ナンバーワンDJ機材ブランドであるPioneer DJのエントリー層向けコントローラー「DDJ-FLX4」で、2大人気DJソフトであるrekordbox&Serato DJのマルチ対応、スマホやタブレットとBluetooth接続しワイヤレスで連携、DJができる豊富な接続オプション、DJミックスを最新テクノロジーで補助してくれるスマート機能など、DJデビューには豊富すぎるとも言える機能が満載のコントローラーです。
ヘッドホン
DJは今流れている曲を聴くと同時に、片耳にヘッドホンを当てて次に流す曲をモニターする必要があり、その際に必須になるのがヘッドホンです。DJ用ヘッドホンは普通のヘッドホンとは違う観点から最適なモデルをチョイスする必要があり、DJ用途に適したモデルを購入する必要があります。
関連記事：DJヘッドホンのおすすめ10選
スピーカー
スピーカーは最悪なくてもPC自体から音を出すこともできるためDJは出来ますが、やはりしっかりとしたサウンドを出力できるスピーカーがあれば一気にDJの本格さが増します。音楽を扱うDJであればパソコンの小さなスピーカーから出力される貧相なサウンドに満足せずに、スピーカーから出力される高品質なサウンドでDJを楽しみたいですね。
PCDJで使う音源はどこで入手する？
PCDJで使う音源は、音楽ダウンロードサイトで購入したり、レコードやCDの音源をデータ化して保存する方法のほかに、DJソフトと連携できる音楽ストリーミングサービスの契約をして音源データを所有せずにDJで使う、といった方法があります。
DJ用の音源が入手できるサイトや方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
PCDJは現代のDJスタイルでは最もポピュラーで、費用や必要な機材のライトさからDJが始めやすいスタイルです。
PCはスマホと共に現代人の必須アイテムとも言え、DJ用途以外にも利用シーンは数多くあるでしょう。PCにプラスアルファで少しの機材への投資でDJセットを用意すれば、憧れの本格的なDJプレイの第一歩を踏み出せます。
