なぜDJは楽曲制作を行うべきなのか

本サイトのコンテンツ内にはPRリンクが含まれる場合があります

世界で活躍するトップDJ達は、自分名義のヒット曲をきっかけにスターダムにのし上がるパターンが非常に多いことに気づいておられる方も少なくないのではないでしょうか。

ですが、狭義でDJというのものを考えると、自分で作曲や楽曲プロデュースを行うことの人をDJというのは少々違和感がある場合もあるかもしれません。

今回は、DJにとっての楽曲制作の意味と、その必要性について考えていきたいと思います。

DJプレイでは差別化に限界がある

まずスタンスとして、DJは楽曲制作(自分名義の楽曲のリリース)を行うべきだと考える理由の一つとして、DJプレイの差別化の難しさがあります。

DJがかける音楽やミックスの流れから生み出されるクリエイティビティは楽器を演奏するようなミュージシャンに負けない唯一無二の芸術性があると確信していますが、一般論として「他人の曲を流しているだけ」「何をしているのかわからない」といった意見が普通の人から出ることは避けられない事実だという認識もあります。

無名のDJがいくら現場で良いプレイをしても、知らない人がファンになってくれて次に出演するイベントにお金を払って観に来てくれる可能性は非常に低いと思いますし、DJミックスをネットにアップしても無名DJのミックスを1時間とかの時間をかけて聴いてもらえる可能性も限りなく低いでしょう。

そこで、DJという一アーティストの名刺代わりになるのが「自分名義の楽曲」なのです。

人間には有名人を自分の目で直接見たいという欲求がある

インターネットが発達して、世界中のどんなアーティストの曲やライブパフォーマンスも音楽ストリーミングサービスやYouTubeなどで観て聴くことができます。

ほとんどいつでも無料で観て聴くことができるにも関わらず、現場でのイベント、ライブ、フェスなどの市場が廃れないのはなぜなのでしょうか?

それは、現場でしか味わえない高揚感、一体感を味わえることに加えて、人間には有名人を自分の目で直接見たいという欲求があり、それがエンタメビジネスの一つの側面であるからだと言えるのではないでしょうか。

もちろんジャンルや業界によってはこうしたビジネス的な考えで動いていない場合もあるでしょう。

しかし、有名なヒット曲があるDJが、たくさんのお客さんを呼び高額なギャラを手にすることができるのは、実際DJが上手いかどうかが主な理由ではないと言えることは事実として知っておくべきでしょう。

DJと楽曲制作のセンスは別物である

DJ機材やソフトウェアが高機能化して、DJプレイにも楽曲制作的な要素が徐々に広がりつつありますが、前提として、DJと楽曲制作のセンスは別物であると考えています。

DJは機材を使いこなすスキルはもちろん、選曲であったり、場の空気を読む力、曲の背景にある歴史などの知識など様々な知識が必要ですが、そこに抜群のセンスがあれば素晴らしい楽曲を作ることもできるかというと、そうでもないということは言えると思います。

プロデュースという関わり方であればまだ可能性はあるでしょうが、実際に自分で楽器を演奏したり打ち込みで楽曲を構成するそれぞれのパートの音を作り込んでいって一つの曲を完成させるためには、全く別のスキルが必要になると言えます。

楽曲制作に向いていない人もいる

DJは上手いけれど作曲センスはない、またその逆パターンは大いにあり得ます。

現代の主流であるパソコンでDAWソフトを使って曲を作っていく作業は、ややプログラミング的な要素もあったり、ミキシングなどテクニカルなスキルや知識が必要になる場合も少なくありません。

これは出来ない人は劣っているとかそういう話ではなく、向き不向きの問題であり、自分には向いていないなと感じてもそこで諦める必要はありません。

外注という選択肢もある

楽曲制作は絶対に自分で行わなければならないという決まりがあるわけではありません。

もし自分に楽曲制作の適性がないと判断した場合は、他の人に作ってもらうという手段もあります。

人前でパフォーマンスを行うDJはしたくないけど、自宅やスタジオにこもって黙々と曲作りをすることに幸せと適正がある人もいます。そこは需要と供給であり、自分ができないことは他の人に外注すれば良いのです。

それを公にするかしないかは、アーティストとしてのマーケティング/ブランディング戦略の話であり、何も自分で作っていないことを負い目を感じる必要はないでしょう。

目的が何であるのかを明確にする

DJとして楽曲を制作する目的はなんなのかを考えてみましょう。

自分で音楽を生み出す創作活動が行いたいのか、DJとしてキャリアアップするために自分名義の曲という武器が欲しいのか、そこの優先順位をしっかりと考え、手段と目的がすり替わらないようにすれば、適正のない作業に追われるということにはならないでしょう。

DJは一度は楽曲制作にチャレンジするべし

楽曲制作経験のあるDJとないDJでは、音楽に対する理解度やDJプレイの深みにも違いが出ると考えています。

DJをしているだけの時は見ていなかったような視点で楽曲を捉えることができるようになり、これまでなんとなくしていたDJプレイに納得感や芯が入ったような感覚を得ることが出来るかもしれません。

ただ、楽曲制作には向き不向きがあることは確かですので、一度音楽制作を体験して自分に向いているかどうかを判断し、自ら楽曲制作を行うのか、制作は他の人に任せて自分はプロデュースや表に出る役割に徹するのかを決めると良いのではないでしょうか。

この記事を共有する:
上部へスクロール