現代のDJにとって必須機材の一つとも言えるパソコン。
ラップトップPCのデータ音源を使用したDJプレイを行うPCDJが普及して早10年以上経ち、機材や時代の流れとともにDJにおけるPCの存在はますます大きくなっています。
DJプレイのみならず、楽曲管理、楽曲制作等においてもヘビーユースされるPCは、DJソフトや楽曲制作ソフトの使用に適したスペックのものを選ぶことが快適な使用には不可欠です。
今回は、DJ向けパソコンの選び方とオススメのPCをご紹介したいと思います。
DJ用のパソコンを選ぶ際に考慮したいポイント
- OS:PCを選ぶ際に大きく2つに大別されるものとしてOS(オペレーションシステム)があります。MacとWindowsの2つですが、結論としてはどちらを選んでも問題なく使用できます。ただDJや音楽制作を行うユーザーをはじめクリエイターに使用者が多いのは圧倒的にMacであり、各DJソフトとの互換性を考えてもメーカーはシェアの高いMac OSに最適化するように開発を行うというのが自然な流れでしょう。
一方Windowsの利点はその価格です。MacとWindowsパソコンを比較した場合、同スペックであればWindowsパソコンの方が比較的安価なPCを見つけることができます。予算に余裕がない場合はWindowsパソコンも魅力的な選択肢になるでしょう。 - CPU:CPUは簡単にいうとPCの脳と言える部分で、PCの各パーツを制御/演算を行うプロセッサーです。CPUが高性能であればあるほどデバイスの動作は速く快適になるのが一般的です。
- メモリ:PCのメモリはデータを記憶するパーツで、メモリ容量が大きければ大きいほど様々な作業を並行して行うことができ、結果PCの動作が早くなり快適な使用が出来るようになります。
- ハードディスク/SSD容量:現在はDJで使用する音源ソースもストリーミングサービスが主流になりつつあり、その場合はそこまで重要ではありませんが、PC内のローカル環境に大量の楽曲データを保存する場合はハードディスク/SSD容量も重要になってきます。
1曲約5分の320kbps MP3ファイルは12MB程度のファイルサイズとなり、例えば256GBのストレージ容量のPCでは約20000曲のデータを保存できる計算になります。WAVファイルなど非圧縮データであれば1曲あたりの容量はMP3の4~5倍となりますので、自身の使用するファイル形式や曲数によって最適な容量を選択しましょう。 - DJソフトの動作環境:DJプレイや楽曲管理で使用するPCは使用するDJソフトの動作環境を満たしているかが適切なPCを選ぶための一つのベース指針となります。主要DJソフトの要求仕様は以下の通りで、上記で出てきた「OS」「CPU」「メモリ」「ハードディスク/SSD容量」が要求スペック以上かどうかを確認しましょう。
rekordbox | Serato DJ | Traktor Pro 3 | Virtual DJ | |
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OS | macOS Sonoma 14(最新アップデート) macOS Ventura 13(最新アップデート) macOS Monterey 12(最新アップデート) Windows 11 Windows 10(最新サービスパック) | 14 Sonoma 13 Ventura 12 Monterey Windows: 11 10 | macOS 12、13、14 (最新アップデート) Windows 10 、 11 (最新Service Pack) | OS X v.10.14 (Mojave) OS X v.10.15 (Catalina) macOS 11 (Big Sur) macOS 12 (Monterey) macOS 13 (Ventura) macOS 14 (Sonoma) Windows 10 Windows 11 |
CPU | (Mac) Apple M1シリーズ以降のCPU (Windows) Intel® processor Core™i9, i7, i5, i3 Intel® processor Core™i9, i7, i5 (Video機能) AMD Ryzen™ 1000 シリーズ以降のCPU | (Mac) Intel core i5 Apple M1/M2 以上 (Windows) 第6世代 Intel core i5 AMD Ryzen 5 3000シリーズ 以上 | (Mac) Intel Core i5もしくはApple M1 / M2以上 (Windows) Intel Core i5または同等のCPU | (Mac) Intel Core i5 Apple M1 以上 (Windows) Intel Core i5 AMD Ryzen 7 以上 |
メモリ | 8GB以上のRAM 16GB以上のRAM (STEMS機能) | 8GB RAM以上 | 4GB RAM | 8GB RAM以上 |
ハードディスク/SSD容量 | 2GB以上の空き容量 (楽曲ファイルなどの保存に要する容量を除く) | 15GB以上の空き容量(SSD) | 1 GBのディスク空き容量 |
DJ用パソコンのおすすめモデル5選
Apple MacBook Air (M3チップ/8GB RAM/256GB SSD/13インチ)
OS | macOS |
CPU | M3 |
メモリ | 8GB |
ハードディスク/SSD容量 | 256GB SSD |
サイズ | 13インチ |
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Apple MacBook Pro (M2チップ/8GB RAM/256GB SSD/13インチ)
OS | macOS |
CPU | M2 |
メモリ | 8GB |
ハードディスク/SSD容量 | 256GB SSD |
サイズ | 13インチ |
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ASUS Vivobook 15 (Core i7/16GB RAM/1TB SSD/15.6インチ)
OS | Windows 11 |
CPU | Intel Core i7 |
メモリ | 16GB |
ハードディスク/SSD容量 | 1TB SSD |
サイズ | 15.6インチ |
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Lenovo IdeaPad Slim 3 (Core i7/16GB RAM/512GB SSD/14インチ)
OS | Windows 11 |
CPU | Intel Core i7 |
メモリ | 16GB |
ハードディスク/SSD容量 | 512GB SSD |
サイズ | 14インチ |
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MSI Cyborg15 (Core i7/16GB RAM/512GB SSD/15.6インチ)
OS | Windows 11 |
CPU | Core i7 |
メモリ | 16GB |
ハードディスク/SSD容量 | 512GB SSD |
サイズ | 15.6インチ |
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まとめ
今回はDJ用PCを選ぶ際の着目ポイントとオススメモデル5機種をご紹介しました。
DJソフトに限らずですが、PC用のソフトウェアはOSのバージョンアップや新しいチップを搭載したPC自体の新モデルが出るたびに、各メーカーが互換性を確保するために新バージョン開発を行います。
OS最新バージョンのリリース直後や新チップ搭載モデルのPC発売直後はソフトウェア側で対応が追いついていない場合が多く、最新モデルのPCを購入してもソフトが使用できないといった状況になることも考えられます。
そういう意味では、最新機種のパソコンを導入するよりOSやCPUなどがリリースからある程度時間がたって安定しているバージョンのパソコンを使うのが安心だと言えます。
パソコンを導入する際は、自分の使用するDJ/楽曲制作ソフトとの互換性、動作要件をよく確認し安定動作をするものを選ぶことが快適な使用のためのポイントになるでしょう。