AlphaTheta株式会社は、Pioneer DJブランドから、業界標準モデルとしてクラブなどの常設機として普及している「DJM-900NXS2」の後継機種と言える、次世代のスタンダードモデルとなる4chプロフェッショナルDJミキサー「DJM-A9」を発表した。
前身となる「DJM-900NXS2」のあらゆる面に見直しがかけられた、業界スタンダードを完全に新しい次元に引き上げる新モデルとなるDJM-A9は2023年3月10日に発売予定となっている。今回はこの新しいDJM-A9の主な特徴をご紹介していく。
圧倒的にクリアで明瞭な引き締まった音質
DJM-A9では、プロフェッショナルからも評価を受けているDJM-900NXS2の音質からさらなる向上が図られ、チャンネル入力部にはESS Technology社製の32bit高性能A/Dコンバーターを搭載することによって、あらゆるジャンルの音楽が心地よく聴こえる、過度な色付けのない、自然でリアリティーある音質を実現したとしている。
また、MASTER出力部、BOOTH出力部にも同社製の32bit高性能D/Aコンバーターを採用したことで、ブースでもオーディエンスと同じ高解像度で臨場感のある音をモニターしながらDJプレイができ、マイク入力部およびヘッドホン出力部においても、部品の再選定と最適なチューニングを行うことにより音質の向上が図られている。
徹底的に追求された楽器としての演奏性
DJM-A9は、楽器としての演奏性も徹底的に追求され、EQノブの間隔にゆとりを持たせることで、より快適に操作ができるように。また、DJM-900NXS2よりも高品位なチャンネルフェーダーとクロスフェーダーが採用され、より滑らかで繊細なミックスとスクラッチ演奏が可能になったとしている。
さらに、SOUND COLOR FXには世界初のCENTER LOCKを搭載。ノブを回した際にセンター位置でロックされる特殊な機構により、誤操作をすることなくHIとLOWのパラメータをダイナミックにコントロール、正確なエフェクトを加えることが出来る。CENTER LOCKをオフにすれば、ノブを回した際にセンター位置でロックされることなく従来のDJM-900NXS2と同じように操作することも可能。
BEAT FXセクションも従来機種から大きく見直しがかけられ、的確にエフェクトの状態が把握できるカラーディスプレイを搭載し、X-PADを横一列に配置したことで、今まで以上に直感的なエフェクト操作が可能になっている。さらに、ボタンでダイレクトにチャンネルが選択できるようになり、目的のチャンネルに素早くエフェクトをかけることができるようになった。BEAT FXは、新たに加わった3種類を含む、全14種類が内蔵。
大幅に進化したマイクセクション
ストリーミング配信中やDJ中のMCなどのマイクパフォーマンスを向上させるため、マイクセクションも大きく進化。DJミキサーとしては初めてファンタム電源を搭載したことにより、コンデンサーマイクを直接接続することができ、搭載された3種類のマイクエフェクトとREVERBを組み合わせることで幅広い音声加工が可能になった。
多様なデバイスとの接続
PC/Macとの接続用に、トップパネルにはそれぞれUSB Type-BとType-C両方のUSB端子を二系統搭載。さらに各チャンネルにアサイン可能なBluetooth入力も搭載しているので、モバイルデバイスで再生中の音源をワイヤレスで入力しDJM-A9上でEQ操作やエフェクト操作を加えることも可能になった。
マルチI/Oセクションには「RMX-1000」などの外部エフェクターが接続でき、独立したチャンネルセレクターにより、接続した外部エフェクターではBEAT FXとは異なるチャンネルにエフェクトをかけることができる。
もちろんrekordbox、Serato DJ Proを使用したDJプレイ、各ソフトウェアのDVS機能にも対応している。
完全独立した2系統のヘッドホンセクションとBOOTH EQの搭載
DJM-A9のヘッドホンセクションには、2系統ずつヘッドホンCUEボタン、音量ノブ、MIXバランスノブが設けられ、2人のDJが交互に曲をかけるBack to Backスタイルでも快適にモニタリングすることができる。また、BOOTHセクションには、高音域と低音域の2BAND BOOTH EQを搭載し、フロアとDJブース内の音響バランスをより近づけるなどの調整により、快適なモニタリング環境を構築できるとしている。
音響エンジニア向けアプリケーションStagehandへの対応
DJM-A9は、業界初の音響エンジニア向けPRO DJ LINK管理アプリケーション「Stagehand」(近日公開予定)に対応。DJM-A9本体に内蔵されたWi-Fiを無線LANルーターと組み合わせることでiPadとの無線接続が可能になり、DJM-A9のレベルメーターや操作情報などを手元のiPadで把握できる。これにより現場のスタッフや音響エンジニアが精度の高い音響設定や迅速なトラブルシューティングをリモートで行うことができるようになり、DJシステムの価値向上を行うことで、今まで以上に安全で魅力的な音楽エンターテイメントを提供するとしている。
DJM-A9 スペック
主な特長 | |
MIDI コントロール | フルアサイナブルMIDIコントローラー |
PRO DJ LINK | ✔︎ |
Booth EQ | ✔︎ |
P-LOCK FADER CAPS | ✔︎ |
オートスタンバイ | ✔︎ |
DVS コントロール | rekordbox Serato DJ Pro(ライセンスまたはサブスクリプション契約が必要) |
Bluetoothオーディオインプット | 無線方式:Bluetooth Ver.5.0 最大通信距離:見通しの良い状態で約10 m(通信距離は目安です。) 使用周波数帯域:2.4 GHz帯 変調方式:FHSS(周波数ホッピングスペクトラム拡散方式) 対応コーデック: SBC, AAC |
無線LAN | 対応規格:IEEE 802.11 a/b/g/n/ac 使用周波数帯域:2.4 GHz / 5 GHz帯 |
付属品 | 電源コード 保証書 クイックスタートガイド 使用上のご注意 |
主な仕様 | |
最大外形寸法(W x D x H) | 407.4 x 107.9 x 458.3 mm 407.4 x 140.7 x 458.3 mm(無線アンテナ直立時) |
サンプリングレート | 96 kHz |
本体質量 | 10.2 kg |
CH入力 A/D コンバーター | 32 bit |
MASTER, BOOTH, REC, SEND D/A コンバーター | 32 bit |
SN 比: LINE | 105 dB |
SN 比: PHONO | 88 dB |
SN 比: MIC | 79 dB |
全高調波歪率 | 0.005 %以下 (LINE) |
チャンネル | |
EQ/ISO | 3 band |
EQ レンジ | 切替式 3バンドEQ:-26 dB ~ +6 dB dB |
パフォーマンス・コントロール | |
チャンネル数 | 4 |
MULTI I/O | USB (Type A) |
SOUND COLOR FX | Space Dub Echo Sweep Noise Crush Filter |
BEAT FX | Delay Echo Ping Pong Spiral Helix Reverb Flanger Phaser Filter Triplet Filter Trans Roll Triplet Roll Mobius |
カラーディスプレイ | ✔︎ |
X-PAD | ✔︎ |
rekordbox QUANTIZE | ✔︎ |
CROSS FADER | |
クロスフェーダー構造 | MAGVEL CROSS FADER |
CURVE調整 | ✔︎ |
カーブ特性数 | 3 |
MIC | |
ファンタム電源 | ✔︎ |
マイクエフェクト | Echo Pitch Megaphone Reverb |
PUSH TO TALK機能 | ✔︎ |
MIC接続 | XLR / ジャック兼用 1/4-inch TRS JACK |
MIC EQ | 2 band |
MIC EQ レンジ | -12 dB ~ +12 dB |
TALKOVER | 専用ボタン |
TALKOVER ATT | ✔︎ |
端子 | |
入力端子 | 4 DIGITAL (Coaxial) 4 LINE (RCA) 4 PHONO (RCA) |
SEND/RETURN | 1 SEND (1/4 inch TS jack) 1 RETURN (1/4 inch TS jack) |
LAN | 1 |
出力端子 | 1 MASTER (XLR, RCA) 1 BOOTH (1/4 inch TRS Jack) 2 HEADPHONE MONITOR (1/4 inch Jack, mini-jack) 1 REC OUT (RCA) 1 DIGITAL (Coaxial) |
USB | 1 USB A端子 2 USB B端子 2 USB C端子 (PC/Mac接続および電源供給 ×1, 電源供給のみ ×1) |
Pioneer DJ: https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/mixer/djm-a9/black/overview/