rekordbox、Serato、djayなど、現在ユーザーが使用できるDJソフトウェアには複数の選択肢があり、それぞれのソフトは対応ハードウェアも異なります。その中でやや玄人感のある印象があるDJソフトがNative Instrumentsの「Traktor」というソフトウェア。
今回はそんなTraktorに対応しているDJコントローラーを選ぶ際にチェックしたいポイントとおすすめモデルをご紹介したいと思います。
Native Instrumentsの開発したDJソフト「Traktor」
Traktorは、デジタル音楽制作やDJのための高品質なソフトウェア/ハードウェアを提供する、ドイツに本社を置くNative Instrumentsが開発したDJプレイ用のソフトウェア。
フラッグシップソフトとなるフルバージョンの「TRAKTOR PRO 4」のほか、無料バージョンの「TRAKTOR DJ 2」「TRAKTOR LE 3」と複数のソフトが存在しており、Native Instruments製DJコントローラーにはいずれかのソフトが付属しています。
Traktorを使うならNative Instruments製DJ機材が選択肢に

まず、Traktorにネイティブ対応しているDJ機材はNative Instruments製の機材のみとなり、TraktorをDJソフトとして使っていく場合は、ハードウェアもメーカー純正となるNative Instruments製DJコントローラーを選ぶことが自然な選択肢となります。
他社製DJ機材でもMIDIマッピングなどを活用してTraktorを使用する事ができる機材はありますが、Traktorとのシームレスな統合やソフトウェアの機能を最大限発揮するにはNative Instruments製コントローラーを使用することが望ましいでしょう。
Traktorで作ったライブラリをUSBに書き出しクラブ常設機でも使用可能に
2025年10月にAlphaThetaから発表された共通仕様の音楽ライブラリ「OneLibrary」により、Traktor PlayとTraktor Pro 4からUSBエクスポートを行い、CDJ-3000といったクラブ常設機の定番機種が含まれるOneLibrary対応DJハードウェアでの使用が可能になります。
家ではTraktor対応DJコントローラーで練習し、現場ではUSBを持ち込みそのままプレイといった利用も可能になり、やや少数派であったTraktor使いという制約から解き放たれ利便性も高まりました。
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Traktor対応のDJコントローラーを選ぶ際にチェックしたいポイント
チャンネル数
一般的なDJコントローラーは左右に一つずつデッキがあり、中央のミキサー部分で左右のデッキに読み込んだ楽曲の音量やEQなどをコントロールします。機種によっては、左右のデッキに2曲ずつ楽曲を読み込むことができ、最大4つの音源を同時に扱うことができます。
また、デッキ部分がなく中央のミキサー部分だけのようなスタイルのDJコントローラーもあり、その場合はオートシンクの使用が原則となり、キューを活用したミックスやEQ/エフェクト操作がメインのDJスタイルとなります。
ミキサーでコントロールできるチャンネル数は2チャンネルと4チャンネルのものがあり、4チャンネルのコントロールができるモデルの方がグレードの高いモデルになりますが、その分サイズが大型になるというデメリットもあります。
サイズ・重量
自宅のみで使用するのか、持ち運んで外出先でDJをする場合があるのかによって、小型でポータブル性に優れたモデルを選ぶ必要性が決まってきます。また、自宅に設置するにしてもスペースの制約がある場合も多いでしょう。
基本的に上位モデルになればなるほどサイズや重量が大きく高機能になります。自分の機材使用環境に合わせてバランスの取れたモデルを選ぶことが重要です。
オーディオインターフェイス搭載の有無
DJコントローラーにはオーディオインターフェイス搭載のものと非搭載のものがあり、オーディオインターフェイス搭載であれば、コントローラーから外部のスピーカーに音の出力して本格的なDJセットアップを構築することが可能です。
対して、オーディオインターフェイス非搭載の場合は接続したパソコンから音を出力するため、スピーカーに音を出力するためには別途オーディオインターフェイス単体の用意が必要になります。
電源
接続したPCやモバイルバッテリーから電源供給できるUSBバスパワーに対応しているモデルはコンセント電源を必要としないため、場所を選ばずどこでもDJプレイを行うことができます。小型でポータブル製に優れた安価なモデルはUSBバスパワーに対応している場合が多いです。
対して、豊富な機能を搭載した上位モデルはUSBバスパワーに対応しておらず、ACアダプターでコンセントから電源供給をする必要があることが一般的です。
Traktor対応のおすすめコントローラー
Traktor MX2
2チャンネルミキサー採用で、クラブ標準のレイアウトによりトラックの切り替えやブレンドを自在にコントロール可能。中央に配置されたミキサーで各デッキのボリュームや3バンドEQ、エフェクトを操作でき、クロスフェーダーも搭載しています。
16個のカラーカスタマイズ可能なパッドは「ホットキュー」「ステム」「パターンプレイヤー」「Fluxループ」の4つの物理モードに切り替え可能で、ステムモードでは分離されたボーカルやドラム、ベースなどのパートをリアルタイムに操作できるなど、リミックスやアレンジにも対応します。
| チャンネル数 | 2 |
|---|---|
| サイズ | 32.3 x 51.1 x 61.9 cm |
| 重量 | 2.73 kg |
| オーディオインターフェース内蔵 | ○ |
| USBバスパワー | × |
TRAKTOR X1 MK3

TRAKTOR X1 MK3は、ミキシング、ループ、エフェクトに対応したポータブルなUSB DJコントローラー。見て分かる通りデッキ部分がないためDJの醍醐味の一つとも言えるスクラッチなどの操作はできませんが、コンパクトさと言う点では圧倒的な優位性があります。コントローラー背面やボタンのLEDでトラックの状態を知らせてくれる光のガイドシステムは視覚的にDJプレイをサポートしてくれます。
| チャンネル数 | 2 |
|---|---|
| サイズ | 12.9 x 32.3 x 5.6 cm |
| 重量 | 0.754 kg |
| オーディオインターフェース内蔵 | × |
| USBバスパワー | ○ |
TRAKTOR KONTROL S2 MK3

DJプレイに必要な機能を全て搭載し、ポータブル製にも優れたTRAKTOR KONTROL S2 MK3は、Native Instruments製DJコントローラーとしては最もビギナー向けのエントリーモデル。TraktorでこれからDJを始める人はまずはこれを選んでおけば間違い無いかもしれません。
| チャンネル数 | 2 |
|---|---|
| サイズ | 48.6 x 26.5 x 5.9 cm |
| 重量 | 2.36 kg |
| オーディオインターフェース内蔵 | × |
| USBバスパワー | ○ |
TRAKTOR KONTROL S4 MK3
モーター駆動で回転するジョグホイールを搭載する「TRAKTOR KONTROL S4 MK3」は、ターンテーブルでアナログレコードを扱うような感覚でコントロールが可能な上位モデル。キューポイント等を振動で指に伝達する触覚的なフィードバックを得ることもでき、より高いミックス体験を得ることができます。
| チャンネル数 | 4 |
|---|---|
| サイズ | 54 x 36 x 6.5 cm |
| 重量 | 4.3 kg |
| オーディオインターフェース内蔵 | ○ |
| USBバスパワー | × |






