レコードのサイズの種類。なぜ大きさが違うのか?

本サイトのコンテンツ内にはPRリンクが含まれる場合があります

レコードはその歴史の中で様々なサイズが登場し、音楽を楽しむための多種多様なフォーマットが生み出されました。サイズが異なる理由には様々な背景がありますが、それぞれの特徴を理解することで音楽の深い魅力に触れることができます。

今回はアナログレコードの主なサイズとその違いについて紹介していきたいと思います。

レコードのサイズの種類

現在流通しているレコードには主に2つのサイズが存在します。

レコードと聞いて最も頭に思い浮かぶ、一番ポピュラーなサイズが12インチのLPレコードで、複数の楽曲が収録されるアルバム盤に採用されることが一般的です。

次に、シングルやEPレコードに使われる7インチがあり、ドーナツ盤とも言われるコンパクトで取り扱い易いこのサイズのレコードは、真ん中にレコードプレーヤーのスピンドル(レコードをセットする中心の棒)よりもかなり大きい穴が空いている形状になっています。

他にも12インチレコードが登場する以前に普及していた10インチレコードもあり、かつては12インチLPレコードと同じくアルバム用に用いられていたサイズですが、12インチの普及とともにほとんど作られることは無くなっていきました。

各レコードのサイズは日本人にはあまり馴染みのない「インチ」の単位で表され、センチメートルにすると直径はそれぞれ以下のようなサイズになります。

【レコードの直径】
12インチ:約30センチメートル
10インチ:約25センチメートル
7インチ:約17.5センチメートル

レコードジャケットのサイズ

レコードジャケットのサイズはレコードのサイズに合わせて設計されます。

12インチレコードのジャケットはおおよそ31cm角、7インチは約18cm角、そして10インチレコードのジャケットは約26cm角となります。

ジャケットのデザインはアーティストの視覚的な表現の場ともなり、それぞれのレコードのサイズによってジャケットデザインのアプローチも異なるため、そこもレコードの楽しみの一つと言えるでしょう。

【レコードジャケットのサイズ】
12インチ:31cm x 31cm
10インチ:26cm x 26cm
7インチ:18cm x 18cm

レコードのサイズによる重量の違い

レコードのサイズが増加すると、もちろん体積が増えるため重量も自然に増加します。

重量は12インチ、10インチ、7インチの目安重量がそれぞれ以下の通りとなっており、この重量の違いは、そのまま郵送費用やラックでの保管スペース、持ち運べる枚数に影響を与え、ユーザーの利用方法にも関わってきます。

目安としているのは、アナログレコードの重さは均一のものではなく、生産された年代やプレス工場、素材などレコードやジャケットの仕様によって変わる可能性があるためです。

【レコードの重量】
12インチ:約180〜220グラム(ジャケットを含むと、合計の重さは約300〜450グラム)
10インチ:約140〜180グラム(ジャケットを含むと、合計の重さは約250〜350グラム)
7インチ:約40〜70グラム(ジャケットを含むと、合計の重さは約80〜120グラム)

レコードのサイズによる回転数の違い

レコードのサイズによって再生時の回転数も違うことが一般的です。

12インチレコードの標準回転数は33⅓rpmで、7インチレコードは多くが45rpmで再生されます。

レコードの回転数について詳しくは以下のページでご紹介しています。

関連記事:レコードの回転数はなぜ違う?33回転と45回転の違いとは

レコードのサイズが違う理由

33回転で再生されることの多い12インチレコードは、より長時間の収録を行えることから複数の楽曲が収録されるアルバム盤に利用されることが一般的です。

対して、回転速度が速い7インチレコードは、より短時間に多くの溝を使用するため音楽の収録面積が広くなり、ゆとりのある状態で音を収録出来るため、より高音質とされ、1曲もしくは数曲のみが収録されるシングル盤で採用されることが一般的です。

収録可能時間、音質、持ち運びやすさ、製造コストなど、さまざまな要因がレコードサイズの違いを生み出しています。

レコードプレーヤーはどのサイズのレコードも再生できる?

多くのレコードプレーヤーは複数のレコードサイズと、33⅓rpmと45rpmの2つの回転数を調整できるように設計されており、ユーザーはサイズと速度を選択することで、異なる形式のレコードを自由に楽しむことができます。

先述の通り、7インチレコードはスピンドル(レコードをセットする中心の棒)よりも大きい穴があるため、下記のようなアダプターを使用してターンテーブルに固定することが一般的です。

この記事を共有する:
上部へスクロール