DJ機器を操作するDJ。AlphaThetaとバーミンガム大学によるアクセシビリティ研究のイメージ

障がいのあるDJの声を製品開発へ。AlphaTheta、バーミンガム大学とアクセシビリティ向上を研究

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AlphaTheta株式会社は、英国バーミンガム大学と進める共同研究の一環として、障がいのあるDJ経験者を対象にしたワークショップを2026年7月22日と29日に同大学で実施しました。

11人のDJ経験者が参加、実際の操作課題を共有

ワークショップには、身体障がい、視覚障がい、聴覚障がい、ニューロダイバージェンスなど、さまざまな背景を持つDJ経験者計11人が参加しました。参加者は、普段使用しているDJ機器や楽曲管理アプリケーション「rekordbox」の操作を実演し、演奏時に感じる困難や、使いやすくするための工夫を紹介しました。

今回の取り組みは、障がいのあるDJが実際にどのような環境で機器やソフトウェアを使っているのかを把握し、当事者の声を今後の製品・サービス改善に生かすことを目的としています。

カラー表示や触覚技術をテーマに議論

議論では、DJ機器やソフトウェア上のカラーコーディングをより分かりやすくする方法や、視覚・聴覚情報を振動などで伝えるハプティクス(触覚技術)の活用可能性が取り上げられました。

DJ機器は、画面の色、ボタンの配置、音声情報、微細な操作感など、複数の感覚情報を組み合わせて使う設計になっています。情報の受け取り方が人によって異なることを前提に、特定の感覚だけに頼らず、複数の方法で情報を伝える設計が検討されています。

大学・企業・慈善団体が連携し、当事者参加型で研究

この共同研究は、AlphaTheta、バーミンガム大学、英国の慈善団体Drake Musicの3者によって進められています。Drake Musicは、音楽とテクノロジーを活用し、障がいのある人々が音楽を制作・演奏する機会を広げている団体です。

バーミンガム大学によると、研究ではワークショップやオンライン調査を通じて具体的な改善案をまとめ、よりアクセシブルなDJ製品の開発指針につなげることを目指しています。企業の技術知識や大学の研究知見に加え、障がいのあるDJ自身の経験を重視している点が特徴です。

先行研究でも、障がいのあるDJが音楽文化に果たす役割に注目

今回の研究の背景には、障がいのあるDJの体験を調査した先行研究があります。バーミンガム大学の研究者らが発表した論文では、障がいがDJ活動の障壁となる一方、フロアの雰囲気を敏感に感じ取る力や、独自の身体感覚を生かした表現につながる場合もあると指摘されています。

この視点に立つと、アクセシビリティは単に「使えない人を支援する」ための機能追加ではありません。多様な感じ方や操作方法を取り込むことで、DJの表現そのものを広げる可能性があります。

研究成果は今後の製品・サービス改善へ

AlphaThetaは、2026年6月から2027年秋頃まで共同研究を進める予定です。今後はワークショップに加えて英国・欧州圏を対象としたオンライン調査も実施し、障がいのあるDJが感じている課題やニーズを定量的に把握する計画です。

今回集まった意見が、今後のDJ機器やrekordboxの機能、さらにはクラブや教育現場でのDJ環境にどのように反映されるかが注目されます。音楽を楽しむ人、演奏する人の多様化が進むなか、当事者の声を起点にした製品開発は、DJ文化をより開かれたものにする一歩となりそうです。

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